フン虫、カトカラ、クワガタを愛する素人虫屋のブログです。


by Izanagi_the_4th

ダイコクコガネ採集記②

 最初は近くで話しをしながらそれぞれ土堀りをしていた我々ですが、採集開始から少し時間が経ち、それぞれ思い思いの方へ散開して完全採集モードに突入しました。

 ナナナさんの方は次々とダイコクを採集されているようで、気づけばかなり先の方まで行っておられました。

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 自分もあちこちに落ちている落とし物を順に調べていきますが、何しろ広大な牧場なのでどこから手をつけていいのか悩みます。

 ナナナさんの話ではシナノエンマもいるとのことでしたので、それらしきエンマも探しますが、みんな動きが素早くてなかなか採れません。

 しかしまずは何よりダイコクです。ダイコクをある程度採ったら、のんびりシナノエンマ探しをすることにし、ひたすら土盛りを探し、掘っていきます。新鮮な土盛りからは、割と浅めの所からダイコクが出てきます。

 順調に追加個体を得てはいたものの、陽射しの照りつける斜面で地面を掘り返す作業はなかなかの重労働で、採れる数に比例して体力の消耗も激しく、息も切れ、汗だくで牧場を彷徨します。

 ある程度採ったところで、体力の限界に達し、一旦地面堀り採集から牛の落とし物の中にいる個体狙いの省エネ型採集に方向転換(笑)。新鮮な落とし物をスコップでどかすと、運が良ければダイコクが出てきます。これで4、5頭は採れました。

 面白かったのは、ナナナさんから「地面の穴からダイコクが覗いていることがある」と聞いていたのですが、まさにその場面に直面出来たこと。オスが覗いていて、自分が近付くと慌てて穴に潜ろうとしたのでピンセットで押さえて掘り出しました。

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 なかなか大きな個体です。穴の中からはメスも採集出来ました。

 この牧場では、ダイコクの他にも、ゴホンダイコク、ツノコガネ、マエカドコエンマなどは無数にいますし、ヒメコエンマやヨツボシマグソ、オオマグソ、種名不明のマグソ(フチケやウスイロ?)など、たくさんのフン虫が出てきます。今回それらはほとんどスルーしましたが、物凄い数です。一体この牧場にはどれくらいのフン虫が生息しているのだろう…。

 ダイコクの方も、ある程度の数が採れてからは、メスや小型のオスはリリース。

 V字型になっている斜面を右往左往しながら1往復し、ナナナさんと合流。最初の入り口近くまで戻り、陽当たりの良い場所にある落とし物から、ナナナさんがシナノエンマのオスを見つけ出し、譲ってくれました。小さな虫ながら、立派な2本のツノが非常にかっこいいです。これは是非自分でも採らねば…と、辺りの落とし物を調べていくと、ポツポツとではありますがシナノエンマが出てきました。う~ん、ダイコクにシナノエンマと、今日の2大目標を採集出来て非常に満足です(笑)。

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【シナノエンマコガネ/帰宅後に撮影】

 その後、一度車に戻って休憩。陽射しはきついですが、気温は25℃ということもあり、木陰に入ると涼しいです。

 戦利品を眺めるナナナさん。ダイコクがプラケースの底面を埋め尽くしています。すごいですね~。

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 休憩した後、今見た牧草地の道路を挟んで反対側の斜面へ。こちらでも序盤、ダイコクを3頭ほど採集しましたが、最初の放牧地に比べて状態の良い落とし物が少なかったため、早めに切り上げました。ナナナさんは「小さいのばかりで大きいのが全然いない」とおっしゃっていましたが、私的にはそこそこのサイズでも十分でしたし、数も採れたので大満足でした。

 ナナナさんにはお土産として三重県産ルリセンチの標本を頂きました。この秋は家族サービスという名目で奈良か三重にルリセンチを採りに行きたいと思っていた自分には大いに刺激になりました(笑)。ルリセンチも7年前に数頭採っただけ(しかもスレスレの古い個体)なので…。

 ダイコク採集という目的を果たし、休憩を挟みながら帰途について、夜6時30分位に無事帰名。ナナナさんと別れて、8時頃に自宅に到着。家に入ると緊張の糸が切れたのか、ドッと疲れが押し寄せましたが、心地好い疲れではありました(この1週間、この日の採集に向けて体調を壊さないようにかなり気を遣ってきましたから…)。

 今回の採集で感じたこと。

 ナナナさんのお誘いがなかったら、自分がダイコクを採るのはまたまだ先になっていたか、下手をしたら採れないまま虫人生を終えていたかもしれなかったということ。そういう意味でも、ナナナさんにはいくら感謝の言葉を並べても並べきれません。ナナナさん、ありがとうございました。

 また、ダイコクコガネはいるところにはたくさんいる、というのを実感したこと。イメージ的に、これだけ希少種的な扱いになっているダイコクが、この牧場だけでも無数にいるわけですから、これはかなりの驚きでした。リリースした個体も含め、掘らなかった土盛りもたくさんありましたし、今回採集に入らなかったエリアもありましたから、ここにはまだまだたくさんのダイコクコガネが生息していることでしょう。

 ダイコクの生息地が減っているのは事実なのでしょうが、有名産地など、いるところにはたくさんいる。その他、全国的に無名な牧場にも生息している場所はたくさんあるのでしょうが、採集が禁止されている牧場が多く、それがまたダイコクを採りにくい虫にしているのだとも思います。

 今回訪れた牧場も、数年前までは昆虫の採集は一切禁止されていたそうです。この先どうなるかも分かりません。少なくとも、今後ダイコクを採れる場所が「増えていく」ということはないのではないかと思われます。

 また、オークションなどで高額で落札されるようなツノの大きなダイコクは、なかなか採れないということも実感しました(笑)。これはまあ他の虫にも言えることですが、なかなかサイズ的に満足の行く個体が採れないからこそ、コプリスファンのナナナさんのように、何度も採集に向かわせてしまうのかもしれません。それだけの魅力ある虫だということを、再確認いたしました。

 そして最後に、フィールドに出ての採集はやはり最高に楽しいということ。また、同じ趣味を共有する仲間との採集、今まで出会ったことのない虫との出会い。こればかりは何物にも代えられません。

 「昆虫採集という素晴らしい趣味を持てて、幸せだなぁ」と、改めて思いました。

 さあ、フン虫屋にオフシーズンはありません。

 今年はあと、どんな虫との出逢いが待っているのかな……?
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by Izanagi_the_4th | 2012-09-12 22:17 | 採集