ヨミガエリ…?
2007年 03月 05日
前にも書きましたが、自分は採ってきた虫はいきなり全て〆て標本にするのではなく、何割かはエサを与えて生かしておき、観察したり写真を撮ったりボーッと眺めたりしたりします。特に最近はマグソコガネの仲間などの小型種の生体写真を撮る為に「モデル」として何頭か飼うことも多いので、そんなこんなで1ヶ月も飼っていたりすると次第にその虫に情が沸いてきてしまい、先述のカドマルエンマみたいに〆れず結局最後まで「飼う」ことになってしまう虫達もいるのです。
この2頭のチャグロもそんな感じでずっとタッパーの中で飼っていたのですが、先日見てみるとそのうち1頭が死んでいました。
この個体は他のチャグロと比べて一回り小さく、色彩変化も他にない感じの個体だったので、標本にするためすぐさま整形することにし、耐震シートに裏向きに貼り、ルーぺと筆を持って展脚を開始しました。生前、湿ったティッシュの入ったタッパーに入っていたためか既に関節も柔らかくなっていて、非常に楽に展脚出来ました。
30分ほと経ってから見てみると、きれいに整えたはずの真ん中の脚がまっすぐ横に伸びています。「あれー?」と思いルーペで覗いてみると、うっ、脚や触角が動き出してる! なんと、この個体は蘇生していたのでした。
フン虫は水で〆ると後で蘇生するという話を聞いたことがありますが、この個体も死んでいたのではなく、恐らくタッパーの中の水滴で溺れ、仮死状態になっていただけのようです。
それにしても、乾燥させる前に気づいて良かったです。このまま気づかず乾燥用の容器に仕舞い込んでおいたら、むごい殺し方になるところでした(展脚した意味もなくなってしまいますし…)。
結局このチャグロ君はその数日後にお亡くなりになり、現在蒸らし中となっておりますが、果たして今度はちゃんと展脚出来るかな…?