標本修正
2007年 03月 31日
今から思えば、小さな個体でも15mm程度はあるネブトクワガタの展脚は、虫体の丈夫さもあって楽だったと思うのですが、それでもやはり当時はそれなりに四苦八苦しながら展脚していたのを思い出します(生き虫屋だったので標本自体あまり作っていませんでしたし)。
フン虫をやり始めた頃は、そのネブトとは比べものにならないくらい展脚に苦労しました。何しろ最初に展脚に挑んだのが体長わずか6、7mmのセマダラマグソコガネ。ネブトなど20mmクラスの虫しかやったことのない状態から一気に半分以下の大きさの虫になったわけですからそりゃ大変です。そして何より、虫体がもろい!(これはやはり摂食している物があまり栄養のない物だからですかね?)
初挑戦したセマダラがどうなったかは「蟲のイドコロ」を参照して頂くとして、色々な諸先輩方に小型フン虫の展脚方法をアドバイスして頂き、展脚方法が解るようになるまでというのは、展脚は苦痛な作業でしかありませんでした。
なので、その時期に作った標本というのは、脚は揃わずフセツも飛び、見るも無残な状態でマウントされている標本ばかりです。それらを、時間を見つけて少しずつ直していくことにしました。
まず今回取り掛かったのは、思い入れのあるコブマルエンマ♀3頭の標本。何故思い入れがあるのかというのは話すと長くなるのでそれはまた別の機会に書くとしまして、ともかく標本を台紙からはがし熱湯で軟化させます。この3頭は、採集した時から前脚がなかったり最初にマウントした際にフセツが欠けたりしたりしているのですが、いずれも前脚の基節が下向きになってがっちり固まってしまっていて何ともみっともない標本です。一番大変な修正ですが、2日がかりで何度も軟化させたり針で関節をつついたりして何とか修正。残りの脚や触角も、出来る範囲で何とか整えることが出来ました。
その後3日ほど乾燥させ、本日無事再マウントすることが出来ました。全然完璧ではありませんが、現在の自分の力ではこれが限界。前よりは随分マシになりましたが、また何年かしたら気に入らなくて直すことになったりするんだろうな~。