ケシマグソを拾ったものの……
2007年 07月 13日
そっとクモの巣からはがすと、なんとケシマグソ(セマル?)! おお……。今まで会社周辺(埋め立て地)ではフン虫の棲息が全く確認出来ず、過去、エンマコガネの上半身だけの死骸を1頭拾ったことがあるだけでしたが、やっとフン虫に出会えた…。
しかし、何故にケシマグソ? ここには芝生も砂浜もないというのに…。ともかく持ち帰って展脚し、まとわりついているクモの糸を取って同定しよう。しかし、あれだけ海に通って採れなかった虫が、よもやこのような場所で簡単に採れるとは…。フン虫に興味を持ち出してから早4年。以来、敷地内の外灯の下などはかなり気をつけて見ていたのですが、今まで出会えなかったのも不思議と言えば不思議です。
…と、ここまでは実は7月3日の夜のことでした。死骸は干からびていたので、帰宅してから軟化させ、4日の夜に裏展脚を済ませました。しかしこの際、軟化し過ぎたためか、死骸は頭部、上半身、 下半身と3分割されてしまいました。これ自体はまあ個人的によくあることですし、最近は破損した標本の修理にも少し自信をつけていたので、乾燥したらボンドで直せばいいや…と考えていました。
数日経ち、十分に乾燥したのを見計らって修正することにしました。このケシマグソを採集した場所は埋立地で、その昆虫層を地元の愛好家の方が精力的に調査されていますが、フン虫の記録は何もなかったはず。標本が出来上がって同定作業が終わったら地元研究会の会誌に報告しようかな……と思っていました。
粘着シートから死骸のパーツを外していて、上半身をピンセットでつまみあげた際、ポロっと落下させてしまいました。慌てて行方を探しましたが、ない、ない、ない! 作業をしていたテーブルの下、絨毯の上、その他考えられるあらゆる場所を2時間あまり探しましたが見つかりません。ガーン……。
翌日も嫁と一緒に範囲を広げて探しましたが結局見つからず…。頭部がないとか下半身がないとかならまだしも、一番大事な前胸背板のある上半身だけないとは、なんとも情けない標本になってしまいました……。
同定はまだしていませんが、これを発表しようかどうかは悩むところです(笑)。
セマルですか! この画像だけで分かるとはさすがチャッピーさんです。
これと同種かどうか分かりませんが、追加個体の採集に成功したので、
今度は紛失しないように標本にして(笑)、また同定してみますね(^^)