フン虫、カトカラ、クワガタを愛する素人虫屋のブログです。


by Izanagi_the_4th

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標本修正

 コガネムシを始めるまでは、自分で作った標本で一番小さな昆虫と言うとネブトクワガタでした。

 今から思えば、小さな個体でも15mm程度はあるネブトクワガタの展脚は、虫体の丈夫さもあって楽だったと思うのですが、それでもやはり当時はそれなりに四苦八苦しながら展脚していたのを思い出します(生き虫屋だったので標本自体あまり作っていませんでしたし)。

 フン虫をやり始めた頃は、そのネブトとは比べものにならないくらい展脚に苦労しました。何しろ最初に展脚に挑んだのが体長わずか6、7mmのセマダラマグソコガネ。ネブトなど20mmクラスの虫しかやったことのない状態から一気に半分以下の大きさの虫になったわけですからそりゃ大変です。そして何より、虫体がもろい!(これはやはり摂食している物があまり栄養のない物だからですかね?)

 初挑戦したセマダラがどうなったかは「蟲のイドコロ」を参照して頂くとして、色々な諸先輩方に小型フン虫の展脚方法をアドバイスして頂き、展脚方法が解るようになるまでというのは、展脚は苦痛な作業でしかありませんでした。

 なので、その時期に作った標本というのは、脚は揃わずフセツも飛び、見るも無残な状態でマウントされている標本ばかりです。それらを、時間を見つけて少しずつ直していくことにしました。

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 まず今回取り掛かったのは、思い入れのあるコブマルエンマ♀3頭の標本。何故思い入れがあるのかというのは話すと長くなるのでそれはまた別の機会に書くとしまして、ともかく標本を台紙からはがし熱湯で軟化させます。この3頭は、採集した時から前脚がなかったり最初にマウントした際にフセツが欠けたりしたりしているのですが、いずれも前脚の基節が下向きになってがっちり固まってしまっていて何ともみっともない標本です。一番大変な修正ですが、2日がかりで何度も軟化させたり針で関節をつついたりして何とか修正。残りの脚や触角も、出来る範囲で何とか整えることが出来ました。

 その後3日ほど乾燥させ、本日無事再マウントすることが出来ました。全然完璧ではありませんが、現在の自分の力ではこれが限界。前よりは随分マシになりましたが、また何年かしたら気に入らなくて直すことになったりするんだろうな~。
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by Izanagi_the_4th | 2007-03-31 23:33 | 標本
 イザナギも所属する「三河昆虫研究会」の会員でもあり、地元を中心に精力的に昆虫層の調査活動をされているTさんという虫屋がいらっしゃるのですが、Tさんの住んでおられる愛知県宝飯郡A町というのは何を隠そう自分の出身地。自分の実家とTさんのお宅も近く、Tさんが三河昆虫研究会の『三河の昆虫』52号で発表されたハムシ調査の舞台となった川の堤防のほんの少し下流は、自分がよくフン虫調査をしている場所なのでした(笑)。

 そんな不思議な縁(というか狭い町ですから)もあって、Tさんとは手紙等のやり取りを通じて懇意にさせて頂いているのですが、そのTさんに、宝飯郡A町の昆虫に関する文献のコピーを幾つか頂きました。

 自分が関心があるのは勿論コガネムシの仲間ですが、フン虫に関しては、頂いた文献を総合すると、ミツノエンマコガネ、マルエンマコガネ、コブマルエンマコガネ、センチコガネ、マグソコガネ、ヨツボシマグソコガネ、ウスイロマグソコガネ、フチケマグソコガネの計8種の記録がありました。頂いた文献は最近の物でも20年ほど前の記録なので、当時と比べて自然が大きく減り新興住宅街と化した現在のA町にこれだけの種のフン虫が今も健在なのかは大いに疑問ですが(特に大型種のミツノエンマは厳しいのでは…?)、こんな山も森も海もない面積9.87k㎡の小さな町に、ミツノエンマなどのフン虫が今も生息しているかも…と考えると、胸がワクワクしてきます(セマダラマグソの記録がどこにもないのは、やはりこの町では個体数が少ないからでしょうか? 自分も1頭しか採ってませんし…)。

 鰓角通信で塚本先生が書かれている記録では、A町にはムネアカセンチコガネの記録もあるようですし、自分もセマダラマグソコガネを採っているので、計10種は最低生息している(していた)ことになります。これらの種はいずれ現在の記録として全て再調査したいと思っていますが、中でもやはりミツノエンマは絶対見つけたい種です。ミツノエンマ自体、まだ採ったことがないからというのもありますが、2年前の夏の夜、A町のコンビニの駐車場でミツノエンマらしき甲虫の轢死体を発見した時から、「自分の生まれ育ったA町産ミツノエンマを採りたい!」と強く思ってきたからです。

 自分が子供の頃、沢山の虫達と出会ったA町の林や社寺林には、あの頃いたノコギリクワガタやヒラタクワガタの姿は今はもうありません。水溜りに沢山いた小さなゲンゴロウの姿も見かけなくなりました。川は護岸工事がびっしりと施され、ミツノエンマにとっても30年前と比べて住みにくい町になっていることは間違いありません。でも、信じたいです、今もこの町にミツノエンマがいると!

 頂いた文献の中で、ミツノエンマの最後の記録は83年7月の物でした。それ以前の70年代の記録では、A町を含む周辺の町では「普通に見られる種」とのことでしたが、この83年の記録では「数は少ない」となっており、その頃から既に経年減少していたことが推察されます。

 今年の夏は、地元(豊橋市・豊川市 etc)産オオセンチを採ることと、正真正銘の地元(A町)産・ミツノエンマを採ることが、自分の中での最大の目標です。採集記録は早い物では3月からあるようですが、もう少し経って暖かい日が続くようになってきたら、自分の中でイメージしているポイントに魚肉トラップを仕掛けまくるつもりです。楽しみ…。
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by Izanagi_the_4th | 2007-03-22 00:28 | コガネムシ

疲労…

 最近夜勤の週にはコガネムシを求めて地元ポイントをうろうろしていたのですが、今週の夜勤は何だかんだで忙しく、毎日寝不足で仕事中も帰宅後も疲労でぐったりしていたためフィールドに出る気が起きませんでした。

 それでも今日は疲れた体にムチ打って、いつもと違うポイントを歩いてきたのですが、成果はナシ。場所は今までにも何度か書いた事のある職場近くの公園の森なのですが、今まで何度も調査したもののこれまでフン虫は1頭も見つけられないという場所です(オオヒラタシデムシがやたらと多い)。

 今日はいつもと違って道路を挟んで反対側の森を調べたのですが、ちょっと引くぐらいたくさんいる野良猫達と、いつの間にか森の中に沢山建っていたホームレスの方たちのテントを見てあっさり戦意喪失…。前にこの森の前の道路でタヌキらしき動物を見かけたので期待していたのですが。

 ミゾムネマグソコガネを採った豊川市のポイントにも行こうかと一瞬考えたのですが、そこまではかなり距離があるため体力的・時間的に断念。定点調査は継続的に行っていきたいとは思うものの、それが「義務」になっては楽しみながら調査出来ないですから…。

 帰宅後、何気なく標本箱の中を見ていたら、フン虫を始めたばかりの頃に地元で採ったマグソコガネの標本で、未同定のものがあるのを発見。思い出した、この時は何故かその場所でこの1頭しか採れなかったというシロモノです。一見タダマグソのようにも思えましたが、疲れていてルーペを持つ手にも力が入らず、上のまぶたと下のまぶたが仲良くくっつきそうになってきたので、作業は中止して寝ることに。

 採集も何もかもダメダメな1日でしたが、こんな日もありますよね………zzz
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by Izanagi_the_4th | 2007-03-09 13:29 | コガネムシ

同定マチガイ

 展脚してあった前回の記事で書いた奈良産チャグロマグソコガネと、先日豊川市で採集してきたミゾムネマグソコガネ(の一部)などのマウント作業を行いました。
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 夜勤帰りの眠い目をこすりながらの作業でしたが、1頭1頭台紙に貼り付けて、そのそれぞれにラベルを付け完成した標本が箱に並んで行くのは何とも充実感のある楽しい作業です。

 箱に並べる前に、一応全ての標本をルーペで覗いていたのですが、やはりチャグロとミゾムネは一見非常に似ていて判りづらいです。

 気になったので、既に箱に並んでいる「チャグロ」のラベルの付いた標本も念のため見てみると、うっ……なんかミゾがある標本が幾つかある……(笑)。

 奈良の時はまだミゾムネの実物を見たことがなかったので、それらしき個体は全て「チャグロ」と断定していたのですが、実際に地元でミゾムネと判る個体を沢山採ってミゾムネの特徴も多少分判るようになってきたためか、今回奈良の戦利品の中に2頭ミゾムネが混じっていたことがこうして発覚しました。慌ててラベルを作り直して付けましたが、こういうことがあると「自分も多少成長したなぁ」と嬉しく思う反面、他の標本にも同定間違いがあるんだろうなぁ…と不安になります(というか絶対間違っているものがあるはず)。

 …やはり小遣いを貯めてビノを買わねばならんようです。
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by Izanagi_the_4th | 2007-03-08 11:32 | 標本

ヨミガエリ…?

 2頭だけですが、実はつい先日まで、昨年末に奈良で採ったチャグロマグソ(だと思う)が元気に生きていました。

 前にも書きましたが、自分は採ってきた虫はいきなり全て〆て標本にするのではなく、何割かはエサを与えて生かしておき、観察したり写真を撮ったりボーッと眺めたりしたりします。特に最近はマグソコガネの仲間などの小型種の生体写真を撮る為に「モデル」として何頭か飼うことも多いので、そんなこんなで1ヶ月も飼っていたりすると次第にその虫に情が沸いてきてしまい、先述のカドマルエンマみたいに〆れず結局最後まで「飼う」ことになってしまう虫達もいるのです。

 この2頭のチャグロもそんな感じでずっとタッパーの中で飼っていたのですが、先日見てみるとそのうち1頭が死んでいました。

 この個体は他のチャグロと比べて一回り小さく、色彩変化も他にない感じの個体だったので、標本にするためすぐさま整形することにし、耐震シートに裏向きに貼り、ルーぺと筆を持って展脚を開始しました。生前、湿ったティッシュの入ったタッパーに入っていたためか既に関節も柔らかくなっていて、非常に楽に展脚出来ました。

 30分ほと経ってから見てみると、きれいに整えたはずの真ん中の脚がまっすぐ横に伸びています。「あれー?」と思いルーペで覗いてみると、うっ、脚や触角が動き出してる! なんと、この個体は蘇生していたのでした。

 フン虫は水で〆ると後で蘇生するという話を聞いたことがありますが、この個体も死んでいたのではなく、恐らくタッパーの中の水滴で溺れ、仮死状態になっていただけのようです。

 それにしても、乾燥させる前に気づいて良かったです。このまま気づかず乾燥用の容器に仕舞い込んでおいたら、むごい殺し方になるところでした(展脚した意味もなくなってしまいますし…)。

 結局このチャグロ君はその数日後にお亡くなりになり、現在蒸らし中となっておりますが、果たして今度はちゃんと展脚出来るかな…?
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by Izanagi_the_4th | 2007-03-05 08:28 | コガネムシ