地元最後の日のラベル
2010年 01月 31日
自分の故郷が地名上だけとは言え無くなるというのは不思議な感じです。というか寂しいです。子どもの頃遊んだ神社や川や森、通った小学校、中学校も全て小坂井ではなくなり「豊川市」になってしまうのですから。
しかも、住所もよくある感じで「宝飯郡小坂井町××」が「豊川市小坂井町××」になる、というのではなく、「豊川市××町」という風になってしまうため、完全に住所上から「小坂井町」は消滅してしまうのです(一部、「小坂井町小坂井」という地域があるので、そこは恐らく「豊川市小坂井町」になると思われますが)。
さて、今日は小坂井町最後の日ということで、小坂井在住の採集仲間であり幼なじみでもあるロウ、鞭山と昼飯を食べに行った後、町内の思い出の地で写真を撮ってきました。
ここは子どもの頃、よく魚を採ったり釣ったりして遊んだ川の橋。ロウの家のすぐ近くにあり、当時は近くにヒラタクワガタやノコギリクワガタが採れる林が点在し、自然もたくさん残っていたので、子ども達の格好の遊び場でした(この橋自体、昔から幽霊が出ると言われている場所ではありますが…笑)。
大人になってからもクワガタ屋時代にはこの周辺でちょくちょくクワガタ採集をしていましたが、フン虫をやり出したばかりの頃、この橋のすぐ横の川添いの道で初めてのマグソコガネ・セマダラマグソコガネを採集した他、昨年は念願の小坂井町産ミツノエンマもこの近くで採ったので、この橋周辺は小坂井町の中でもかなり思い出深い場所になっています。
他にも各自の思い出深い場所をまわって記念写真を撮り、最後に小坂井町最後の日のラベルの標本を遺そうと思い、ロウの家の庭の犬小屋周辺でセマダラマグソを数頭採集しました。これも思い出の標本になりそうです。
しかしロウの庭、次から次へとセマダラが出てきてびっくり。昨年末にセマダラを採った時にも「良い環境だな~」とは思いましたが、こんなにいるとは…。これは春から継続して調査をさせてもらわねばなりませんね…(笑)。次からは「豊川市産」ラベルですが………。
幸い原っぱはなくなったものの通い慣れた雑木林は一部が伐られたものの谷戸であったので、かなりそのまま残っていますが。でも、単に表記上のこととはいえ故郷を失う喪失感はぬぐえませんよね。今回の最後の日のラベルはそういった意味でとても重要なものだと思います。素敵な思い出を虫が残してくれましたね。
Song remain the same.っていう曲がZeppelinにありますが、虫を通していつまでも残るものもこうしてあるんですよね。(^^)
コメントありがとうございます!
オコックさんも合併による被害者(?)でしたか…。
この辺りも近年合併が続いていて、ここ4、5年で採った時の
ラベルと地名が変わってしまっている標本が結構増えました。
地元のフン虫に関して言えば、小坂井での調査は昨年少し行った
程度で、過去記録のある種の半分も採ることが出来ませんでした。
こんなことならもっと小坂井の調査をしておけば良かった…といまさら
ながら後悔しております。そんな中、せめてもの救いが記事中にある
地元産最後のラベルとなったセマダラ達です。一生大事にする
標本にしたいので、展脚も慎重にやらないといけませんね(^^;
レッド・ツェッペリン、アルバムは持っているのですが、あまり聴き
込んでいない曲が多くて(汗)、その曲については記憶がないので
また実家に行った際にアルバムを持ち帰って聴き込んでみますね(^^)
しかしこの「××新町」っていう地名は、風情も何も全然ありませんね。
地名変更する理由も一応あるわけですが、昔からの由緒のある地名なのに残念です。
コメントありがとうございます!
やはり住所や地名には昔から伝わる伝統や風情みたいなものが
含まれていると思うので、それを安易に変えたり消したり…というのは
いただけませんよね…。
今まで他地域の合併の話は他人事でしたが、今回故郷が吸収合併
されてはじめて大切なものを失くしてしまった気がしました。