トラップとマグソコガネと、コブナシ…
2010年 06月 23日
蚊にたかられながら設置を終え、「せっかくU山まで来たんだからついでに灯火を見て帰ろう」と思い、中腹にあるよくカブトムシやクワガタが来る灯りのところへ行き、「何かおらんか~」と周囲をライトで照らしていると、クモの巣に引っ掛かって死んでいる小さな甲虫を発見。おっ、マグソコガネの仲間だ。本格的な調査をしていないせいもありますが、この山でマグソコガネの仲間を採るのは初めてなので嬉しいです。チャグロっぽいけど時期的に違うかな? でも死骸なのでいつのか判らないし……。とりあえず、家に持って帰って展脚してから同定することにします(ってマグソコガネの同定は全然出来ないんだよな~……)。
その後、麓の灯火で、先ほどと同じ種と思われるマグソを発見し採集。今度のは生きてました。とするとさっきの死骸も最近のやつなのかな。久々に吸虫管を使いました(笑)。
この日は昼間も暑かったですが、夜になっても蒸し暑く、今にも雨が降り出しそうな空模様で、月も星も出ていません。灯火巡りには絶好のコンディションです。
時間は22時を過ぎていましたが、今までマグソを採ったことのなかったU山でマグソが採れたことで、何となく「今日は面白い物が採れるんじゃないか」と思い、片道1時間ほどかけて奥三河方面へ急きょ外灯巡りに出発することにしました。もともとPT設置のためだけの予定だったのでデジカメも持っていないですし採集道具も不足していますが、まあ何とかなるでしょう。
奥三河方面の外灯巡りでは過去にムネアカセンチやセスジカクマグソにも出会っていますが、両種には以後1度も出会えておらず、追加や新しい虫との出会いを狙って年に数回は出撃しているのですが、せいぜいカドマルエンマを見かける程度でした(実は先週も出撃して撃沈しています)。しかし今日は何となくムネアカセンチやセスジカクマグソが採れそうな予感があったのです。
山間部に入り、外灯を巡っていて気がづくのは、美麗な蛾が非常に多いと言うこと。ここは標高500mくらいのところなのですが、U山のような標高100mにも満たない低山とは当然集まる蛾の種類も数も全く違ってきます。蛾に全く興味や知識のない自分は、綺麗な種を見つける度に、「この蛾は何ていう蛾なんだろう」「何でこんな模様をしているんだろう」と、狙いの虫を探すのも忘れて思わず見とれてしまいます。ああ、デジカメ持ってくれば良かった…。
奥三河方面ではいつもだいたい見て回る場所は決まっているのですが、途中から雨が降り出し、アスファルトが濡れて小さな虫は非常に見つけづらい状況になってきました。また、どこもカメムシと蛾が多く、全体的に甲虫は少なめで、フン虫ではカドマルの轢死骸を1つ発見したのみでした。あと印象的だったのは、以前から外灯下の道路脇にあった亀の轢死骸にオオヒラタシデムシの成虫と幼虫が大量にたかっていたことでした。うわ~…。先週来た時には干からびていて何も来ていなかったのに、雨で濡れるとこんなことになるんですね…。念のためコブスジがいないか探しましたが見つかりませんでした。
その後も自販機の周囲を重点的に見て回りますが、とある自販機の前で、1頭の小さな甲虫が目に入りました。路面は雨で濡れていましたが、光に照らされて一瞬キラッと光ったのです。手に取ると…
おおっ、コブスジだ!…だけどコブがない…?(画像は帰宅後撮影) ルーペもないので同定は後回しにしてとりあえず採集。これでボウズは免れた…ホッ。
周囲でこの虫の追加を探しましたがそれは得られず、その後の灯火でも全く成果はなく、また片道1時間かけて帰宅。そして先ほど採ったコブスジをよく見てみると…
やはりコブがない…。コブスジコガネは先日のヒメコブしか採ったことがないのでコブナシなのかチビコブなのか自信を持って判断出来ず、結局羊さんに画像を添付してメールを送って同定して頂きました。すると、やはりコブナシコブスジコガネとのことでした。
コブナシは生態的にフクロウの巣に棲息しているということだったので、自分が採るのはもっと先のことだと思っていたので、こんなに早く出会えるとは思ってもいませんでした。素直に嬉しいです。
羊さんにうかがったお話によりますと、愛知県の三河山地には結構分布しているとのことでした。羊さんには今回もまたいろいろとお世話になりました。ありがとうございます(^^)
…結果的に、ムネアカセンチもセスジカクマグソも採れませんでしたが、コブナシを初採集出来たので良かったです。というかかなり嬉しかったです(^^) しかし、ムネアカもセスジカクも過去1度採ったっきりで追加が全く採れていないので、このコブナシも1度限りになりそうな気がしますが…。また頑張って追加を狙ってみたいと思います。
わざわざ出掛けた甲斐がありましたね。「予感」を「現実」にできるのも素晴らしいと思います。
蛾というと、昔クワガタ採集の時にオオミズアオに見とれていたイザナギさんを思い出します(笑)。
コメントありがとうございます!
自分も猛禽の巣など見たことも探したこともないので、コブナシはもう少し先に出会う虫だと思っていましたので意外な出会いで嬉しかったです(^^)
なかなか採集前から「今日は採れそうだな」なんて思う事はないのですが、翌日から夜勤でなければあんな時間から採集に行く事もなかったと思うので、急きょ夜勤になったこともラッキーでした(^^)
コメントありがとうございます!
オオミズアオ、この日もいましたが、小型で、羽根もボロボロでかなり弱っていた個体でした(^^;
オオミズアオは、自分の好きなバンドがこの蛾をテーマにした曲を書いていたので、「ふむふむ、この蛾をモチーフにしたのか」とか考えながらじっくり観察していたのだと思います(笑)。
コメントありがとうございます!
オコックさんの所有されているコブナシも灯りで採集されたものなのですね(^^)
コブナシについては、鰓角通信別冊に載っていたトラップ製造機さんの「テカリの思い出」の記事の印象が強く、ライトトラップでもなかなか採れない、というイメージでした。確かに、私の場合もこの場所に通い続けて数年目での出会いでしたから、「なかなか採れない虫」であったことに違いはありませんね…(笑)。
コメントありがとうございます!
飼育で割と簡単に増える…という話は聞いたことがありますが、
何百というのも凄いですね(笑)!
今回の個体は記念すべき初採集品なので〆ましたが、もし追加で
採れるようなことがあれば自分も飼育してみます。
家族の同意が得られれば、ですが…(^^;;;;;
多分無理だろうな~…。